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☆★終わりなき旅★☆~世界の旅行記~★☆   ☆☆~Endless Journey~☆☆     

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朝鮮族の街/延吉・図們

『中国・旧満州国周辺旅行記』 朝鮮族のエリア・延吉、図們


丹東から長春に向かい、その夜の延吉行きの夜行列車に乗った。長春はそれほど興味がなかったので、乗り継ぎのみとなった。硬臥(2等寝台)が満席だったので、ちょっと奮発して軟臥(1等寝台)の切符を買った。

延吉には翌朝着いた。すると、街中のあらゆる表示が漢字とハングル文字の併記であった。駅前から市バスで目的の宿まで移動したが、車掌の女性も何となく朝鮮系の顔立ちだった。

歩き方に載っていた、柳京飯店にチェックインした。シングルで100元。しかも、従業員はみんな北朝鮮出身だと歩き方には書いてあった。

少し休んだ後、再び市バスで延吉駅に戻り、1時間ほど列車に乗って、北朝鮮との国境の街・図們に向かった。この列車はローカルの3両編成でしかも各駅停車。一番下のクラスの硬座しかなく、料金はたったの3.5元だった。
この列車の中で、通路を挟んだ隣のボックス席にいたグループと、たまたま親しくなった。きっかけは、日本語を耳にした私が彼らに話しかけたのである。しかし彼らの中には日本人はいなく、朝鮮族の中国人と、韓国人だった。そのうちの1人が、横浜の短大に留学していて日本語が話せた。彼女は、図們の出身で、延吉で親戚と会い、そのまま図們の祖父母の家にみんなで行く途中だった。

延吉から図們への列車内で
延吉から図們への列車内での出会い

彼女以外は日本語が出来ないが、各々は中国語ではなく朝鮮語で会話をしていた。
延吉の公安、日本の漫画を製作している会社員、延吉で宿を経営しているおばさん、おばさんの友人の韓国人のおじさん、彼女の友達といった面々だ。

彼女が、良かったら図們の街を案内しますよ、と言うので快諾した。

図們の駅に着くと、2台のタクシーに別れ、彼女の祖父母の家に向かった。比較的新しい団地の1室にお邪魔した。彼女が私を祖父母に紹介してくれた。日本人だと言っても嫌な顔もせず、歓迎してくれた。今まで4回中国を旅しているが、中国人の家に入るのは初めてだ。

朝鮮族のお宅拝見1
朝鮮族のお宅拝見!

部屋には、色んな写真が飾ってあった。祖父母が若かりし頃の写真。民族衣装であるチマチョゴリを着ている写真、等々。祖父は列車の車掌長だったらしい。ただ、酒豪だったらしく、肝臓を患い、手術した痕を見せてくれた。元気そうだったが、彼はベッドに腰掛けたまま、動かなかった
祖母は、梨を剥いてくれたり、ゆでたとうもろこしを出してくれた。

朝鮮族のお宅拝見2

「カムサムニダ!」

そう言って祖父と別れ、残りのみんなで観光に出かけた。
まずは、北朝鮮との国境の川沿いの公園を歩いた。丹東とは雰囲気も全然違って、川幅は小さいし、とても田舎だ。

北朝鮮との国境の川
北朝鮮を背景に記念撮影スポット

写真を撮ったりして、次はタクシーで移動し、羊肉のバーベキュー屋に向かった。このエリアの羊肉もウルムチ辺りとは違った旨味があるらしい。ちょっと辺ぴな所にあったが、既に何組もバーベキューを楽しんでいた。昼間からビールを飲みながら15本位は食べただろうか。とても美味しく、楽しかった。彼らは一銭も受け取らずご馳走してくれた。

羊肉バーベキュー

その後、タクシーで駅に戻り、彼女とは駅で別れ、他のみんなと一緒に延吉に戻った。そして親切にも私が泊まっている宿まで見送ってくれた。

その夜は、奮発して宿のレストランで食事をした。北朝鮮料理や日本料理もあった。チャーハンと餃子入りキムチ鍋を頼んだ。このレストランでは、毎晩19時半から北朝鮮舞踊がみられるとのことだったので、楽しみにしていた。

早速、美人なウェイトレスからミネラルウォーターが配膳された。
「この美女は北朝鮮人なのだろうか。。」

ミネラルウォーターのラベルを見ると、

『MADE IN D.P.E KOREA』

とある。つまり、北朝鮮産の水だ。。
特に不味くも、美味くもなかったが。。

北朝鮮レストランのディナー

チャーハンも餃子入りキムチ鍋も、とても美味かった。
食事中には、レストラン内の大型テレビで北朝鮮のカラオケ映像らしきものが流されていた。しばらくすると、ウェイトレス達によるカラオケが始まった。4.5人いるのだが、交替で3人が歌った。なかなか盛り上がった。

北朝鮮ウェイトレスのカラオケ
北朝鮮出身の喜び組!

ここのウェイトレス、また宿の従業員達は北朝鮮の出身らしく思えたが、一体どういう過程でこちらにきたのだろうか?どこに住んでいるのだろうか?

疑問に残ったが、そんなことは聞けなかった。

翌日は、列車で再び図們へ行った。今度は1人でのんびりと国境の川沿いをひたすら歩きながら、北朝鮮の風景を写真に収めた。
中国側はマンションや、色んな建物が建ち並んでいるが、北朝鮮側は寂しく民家がポツン、ポツンと建っているだけだった。車もほとんど通らない。人もたまに歩いているのが見受けられるだけだった。

北朝鮮の農村
北朝鮮の農村部

やっぱり北朝鮮は、摩訶不思議な国だった。

例の宿にはもう1泊して、次の日の夜行列車で瀋陽へ向かった。何故か延吉からの切符は取れなかったので、始発駅の図們からの切符を使用した。

北朝鮮にほど近く、朝鮮族が住む街、延吉と図們。

反日感情は感じることなく、出会った人はみな親切だった。宿の従業員もネットカフェまで連れて行ってくれたり、色々と世話をしてくれた。

もう二度と行くことはないだろうが、わざわざ遠くまで訪れて良かったと思えた。

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